マドリード近郊のワイナリー&ワイナリーホテル

目次

マドリードから車や電車で行けるワイナリー

マドリードは、世界で唯一首都でありながらワインの原産地呼称「Vinos de Madrid D.O.」を持つ都市であることを、ご存知ですか?

スペインにおける行政機能や最先端が集まる場所であると同時に、自然や農業が共存する貴重な街。

そんなマドリードでは、中心部から車や電車で1時間ほどの距離に、壮大な自然が広がるワイナリーが点在しています。

今回は、ブドウ畑の散策や試飲ができるワイナリーと、宿泊施設を兼ねたワイナリーホテルをご紹介します。また、マドリードの原産地呼称や品種についても解説をしていますので、最後までご覧ください。

こんな方におすすめです

マドリードの定番観光や美術館巡りはすでに体験済みだという方、2度目のマドリード訪問をされる方、スペインならではのアクティビティをお探しの方へ、地元に密着した新たな体験をご提案します。

ワイン好きの皆さんにとっても必見の情報です。

マドリード周辺の環境とワインの美味しさの関係

スペイン産のワインとしては、リオハ(La Rioja)、リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)、ルエダ(Rueda)といった地域が有名ですが、マドリードは規模は小さいものの、個性的な品種や小規模醸造ならではの深みのあるワインが造られています。

高地から川沿いの平地まで、多様な地域でブドウが育てられているのが、マドリード産ワインの特徴です。火成岩や石灰質、砂質などが混在する土壌条件も相まって、各地の自然環境がワインの味に大きく影響を与えています。

例えば、平地が広がるアルガンダ(Arganda del Rey)では、太陽をたっぷり浴びた果実味豊かでパワフルなワインが造られ、標高が高いサン・マルティン(San Martín)では、繊細で酸が爽やかなワインが多く作られています

産地と味の特徴にも注目してみると、ワイン選びが一層楽しくなるでしょう。

マドリードから約1時間「体験できるワイナリー」

マドリード産ワインの魅力を知るには、実際に体験するのが一番。そこで、マドリードから行けるワイナリーの中から、特に評判の高い場所、また個性的な体験ができる場所をセレクトしました。

※以下の情報は2025年9月時点のものです。サービス内容や料金については、公式サイトなどで最新情報をご確認ください。

1. カルロス3世王室農場ワイナリー(Bodega del Real Cortijo de Carlos III)

創業は1782年。カルロス3世によって設立され、王室専用のワイナリーとして5人の国王にワインとオリーブオイルを献上した歴史を持つ、各式あるワイナリーです。

地下には約500mのセラーがあり、187の棚状のスペースに陶製の大樽が収められた圧巻の構造です。ワインのテイスティングができるだけでなく、美しい庭園とガイド付きのツアー、そして歴史的な建物も楽しめます。

庭園から地下のワインセラーまでのガイド付きツアー、2種のワインの試飲付き
大人 10ユーロ / 子供 6ユーロ(約1時間)

住所:Colonia Cortijo San Isidro, s/n, 28300 Aranjuez, Madrid, España
アクセス:マドリード市内から車で約45時間、バス・電車で約1時間

Bodega del Real Cortijo de Carlos III 公式サイト


2. ボデガ・ケベル(Bodega Qubél)

有機認証を取得し、環境に配慮したワイン生産を行っているワイナリー。テンプラニーリョ(Tempranillo)をはじめ、マルバル(Malvar)、シラー(Syrah)、メルロー(Merlot)など、多様な品種を栽培しています。

2003年以降、20以上の賞を受賞し、品質の高さに定評があることも人気の理由です。

3種類のワイン試飲と地元のタパスを組み合わせたテイスティング
18ユーロ (約1時間)※最低参加人数 8人以上

住所:Calle Real, 14, 28813 Pozuelo del Rey, Madrid, España
アクセス:マドリードから車で約45分、バスで約1時間30分

Bodega Qubél 公式サイト

3. エル・レハハール(El Regajal)

アランフェス(Aranjuez)にあるワイナリー。名前の「Regaja」はスペイン語で「水の流れ、小川」を意味し、自然豊かな環境にあることを示しています。自然保護区に位置していて、自然への想いと高品質なワイン造りを両立させていることから、ナチュラル志向のワイン好きたちに愛されています。

ブドウ畑の見学、ワインの製造過程の説明、ワイン2種のテイスティング、チーズとイベリコ生ハム付き
23.95ユーロ(約1時間)

住所:
Antigua Carretera de Andalucía, km 50.5, 28300 Aranjuez, Madrid, España
アクセス:マドリード市内から車で約40分

El Regajal 公式サイト

4. ラス・モラダス・デ・サン・マルティン(Las Moradas de San Martín)

マドリード郊外の大自然、グレドス山脈(Sierra de Gredos)のふもとにあるワイナリー。完全オーガニック・ヴィーガン栽培で、手摘み収穫されています。

ブドウ畑の散策や試飲、収穫体験ができるツアーがあるほか、天文学ガイドによる星空解説付きという魅力的なプランも揃っています。

・ブドウ畑の散策、ワイナリーの見学、ワイン3種の試飲(ガルナチャ・アルビージョ・レアル)、イベリコ豚の生ハム&マンチェゴチーズ付き
20ユーロ(約2時間)

・夕暮れのブドウ畑散策、ワイン2〜3種のテイスティング、天文ガイドによる星空解説付き
35〜40ユーロ(約3時間)

住所:Pago de Los Castillejos, Carretera M‑541, Km 4,7, 28680 San Martín de Valdeiglesias, Madrid, España
アクセス:マドリード市内から車で約1時間、バスで約1時間30分

Las Moradas de San Martín 公式サイト

5. サン・マルティン(Cristo del Humilladero)

地元のブドウ農家による協同組合として始まったワイナリー。現在は有機栽培と伝統的な製法を重んじた高品質なワインを生産しています。

標高の高い花崗岩質の土壌で育てられたガルナチャ(Garnacha)種など、バランスのとれた味わいのワインが人気です。 

ワイナリー見学、テイスティング、地元料理のランチ付き
28ユーロ(約1時間30分)

住所:Av. de la Constitución, s/n, 28640 Cadalso de los Vidrios, Madrid, España
アクセス:マドリード市内から車で約1時間15分

Cristo del Humilladero 公式サイト

6. ボデガス・デル・ネロ(Bodegas del Nero)

昔ながらの街並みが残る村チンチョン(Chinchón)にあるワイナリー。5代続く家族経営で、有機農法を採用し、化学肥料を使用しない自然な栽培を行っています。

小さい村ながら美しいことで知られている場所で、1日観光にもおすすめです。

ワイナリーの歴史や工程を学びながら施設を見学、代表的なワインの試飲、チンチョン産のチーズの試食。
10ユーロ(約1時間)

住所:Don Ramiro Ortiz de Zárate, 6, 28370 Chinchón, Madrid, España
アクセス:マドリード市内から車で約1時間

Bodegas del Nero 公式サイト

7. バジェ・イグレシアス(Valle Yglesias)

家族経営のワイナリー。伝統的なブドウ畑を再生してきた先駆者的存在です。

マドリード州の西部グアダラマ山脈(Sierra de Guadarrama)のふもとにあり、高品質・少量生産・テロワール重視のワイン造りをしています。レストランが併設されていて地元食材を活かした料理も楽しめます。

ブドウ畑の見学、醸造施設・熟成庫の案内、樽やタンクからのテイスティング
45ユーロ(約3時間)※4~20名

住所:Camino Fuente de los Huertos, s/n, 28680 San Martín de Valdeiglesias, Madrid, España
アクセス:マドリード市内から車で約1時間、バスで約1時間

Valle Yglesias 公式サイト

マドリード州近郊の注目ワイナリー

ボデガス・テソ・ラ・モンハ(Bodegas Teso La Monja)

マドリード州内ではないのですが、電車や車で約1時間30分〜2時間30分ほどで行ける距離にあります。スペイン・カスティーリャ・イ・レオン州(Castilla y León)にあり、リオハの名門ワイナリー「シエラ・カンタブリア(Sierra Cantabria))」のエグレン兄弟によって設立されました。このワイナリーは、自根の古樹を使用して、有機栽培とバイオダイナミック農法を取り入れた持続可能なワイン生産を行っています。

代表作は、地域の特製を活かした赤ワイン「アルミレス(Almirez)」。ティンタ・デ・トロ(Tinta de Toro)という品種を100%使用した濃厚な味わいのワインです。

ブドウ畑の見学、醸造施設の案内、ワインのテイスティング
85ユーロ(約2時間)

住所:Paraje Valdebuey, Polígono 1, Parcela 1416, 49882 Valdefinjas, Zamora, España
アクセス:マドリード市内から車で約2時間20分、電車(Renfe)で約1時間10分

Bodegas Teso La Monja 公式サイト

宿泊できるワイナリーホテル

続いて、宿泊施設を併設しているワイナリー、もしくは、近隣ホテルと連携してユニークなエノツーリズム体験を提供しているワイナリーをご紹介します。こちらは、マドリード州内に限らず、「マドリードから行きやすいエリア」の中からもおすすめをセレクトしました。

ボデガ・ビノス・ヘロミン(Bodega Vinos Jeromín)

マドリード産ワインの原産地呼称を持ち、地元の風土と伝統を大切にしているワイナリーです。ワンランク上のプレミアムワインから、気軽に飲める軽やかなワインまで、幅広い種類のワインを取り揃えています。

このワイナリーは、徒歩10分の距離にあるホテル「ラ・ボデガ・デ・キンティン(La Bodega de Quintín)」と提携し、宿泊プランを提供しています。

・ワインの製造過程を学べるガイド付きのツアー、4種類のワインのテイスティング、地元の食材を使ったマリアージュ。
・歴史的な名所をガイド付きで巡るオプションもあります。

住所:Juan de Austria, 1, 28590 Villarejo de Salvanés, Madrid, España
アクセス:マドリード市内から車で約30分

Bodega Vinos Jeromín 公式インスタグラム

宿泊ホテル:La Bodega de Quintín

アバディア・レトゥエルタ・ルドメーニ(Abadía Retuerta LeDomaine)

カスティーリャ・イ・レオン州(Castilla y León)のバリャドリッド(Valladolid)にある5つ星ワイナリーホテル。12世紀の修道院を改装した施設で、700ヘクタールのブドウ畑に囲まれています。ワイナリー見学に加えて、スパやミシュラン星付きレストランなどを体験できるのが魅力です。

・ミシュラン星付きレストラン「Refectorio」で、ワインと料理のペアリング。
・複数のワイナリー訪問や地元の料理を楽しむことができる3日間または4日間のツアーパッケージもあります。

住所:Carretera Nacional 122, Km 332,5, 47340 Sardón de Duero, Valladolid, España
アクセス:マドリード市内から車で約2時2間30分

Abadía Retuerta LeDomaine 公式サイト

バルブセンダ・ホテル・ボデガ・アンド・スパ(Valbusenda Hotel Bodega & Spa)

スペイン・カスティーリャ・イ・レオン州(Castilla y León)のトロ(Toro)に位置する5つ星のラグジュアリーホテル。モダンなデザインと自然環境が調和した施設で、ワイナリーとスパを併設しています。

ワインの製造見学、テイスティング、自家製ワインと創作料理を合わせたペアリングディナー

住所:Carretera de Toro a Peleagonzalo, s/n, 49800 Toro, Zamora, España
アクセス:マドリードから車で約3時間、高速列車(Ave)で約1時間30分

Valbusenda Hotel Bodega & Spa 公式サイト

ホテル・フィンカ・ラ・エスタカード(Hotel Finca la Estacad)

カスティーリャ・ラ・マンチャ州(Castilla-La Mancha)にあるワインとリラクゼーションを融合させたワイナリーホテル。窓からブドウ畑の景観が楽しめます。周辺にはチーズ工房、オリーブオイル工場も。

ブドウ畑の見学後、ワイナリーの施設をガイドと共に巡り、3種類のワインをテイスティング。
15ユーロ(約2時間)

住所:Carretera Nacional 400, Km 103, 16400 Tarancón, Cuenca, España
アクセス:マドリード市内から車で約1時間30分、電車(Renfe)で約2時間

Hotel Finca la Estacad 公式サイト

カスティージャ・テルマル・モナステリオ・デ・バルブエナ(Castilla Termal Monasterio de Valbuena)

「スペインの温泉ホテル」として以前ご紹介したこのホテルは、温泉スパでリラックスできるほか、近隣のワイナリーでの見学やテイスティング、ペアリングも楽しめます。

Castilla Termal Monasterio de Valbuena 公式サイト

マドリード産ワインを代表する品種

マドリード産ワインは、その多様なブドウ品種のバリエーションも大きな魅力のひとつです。

スペイン全土で広く栽培されている有名品種に加えて、マドリード州ならではの土着品種(地元固有のブドウ)も多く、味わいの幅が豊かに揃っています。

代表的なのは、赤ワインの品種、テンプラニーリョTempranillo)。マドリードの温暖な気候のもとでは、完熟した果実味とまろやかなタンニンが引き立ち、滑らかで親しみやすい赤ワインに仕上がります。木樽で熟成されたものは、さらに深みと複雑さを持ち、クラシックなスタイルを好むワイン愛好家たちに人気です。

一方で、マドリードならではの個性を感じさせてくれるのが、マルバルMalvar)やアルビージョ・レアルAlbillo Rea)といった白ブドウの土着品種です。

マルバルは、繊細なアロマと穏やかな酸味が特徴で、地元では日常的な白ワインとして長年親しまれてきました。軽やかで飲みやすく、料理との相性も抜群です。

アルビージョ・レアルは、近年注目度が急上昇している品種で、果実味とミネラル感のバランスが良く、熟成ポテンシャルを秘めた高品質な白ワインになります。ナチュラルワインの造り手たちの間でも人気が高く、単一品種で丁寧に仕上げられているワインが近年増えています。

赤ワインでは、ガルナチャ(Garnachaも重要な存在です。特に、サン・マルティン(San Martín)やエル・モラール(El Moral)といった高地では、樹齢の古いガルナチャが栽培されていて、エレガントで果実の凝縮感に富んだスタイルのワインが造られています。

マドリード産ワイン特有の製法にも注目

環境や品種だけではなく、製法にもマドリード特有の特徴があります。

例えば、「ソブレマドレ(Sobremadre」と呼ばれる、果皮や種などを一緒に発酵させ、そのまま長くワインに漬け込むという手法が、マドリード州の地域では古くから伝わってきました。こうした独特の造り方によって、香りや味わいに奥行きが生まれ、個性的でしっかりとしたワインに仕上げられています。

マドリード州におけるワイン原産地呼称

最後に、マドリード産ワインの主な産地と特徴をご紹介します。旅の行き先やワインを選ぶ際の参考にしてみてください。

ビノス・デ・マドリード(Vinos de Madrid)D.O.

ビノス・デ・マドリードは、マドリード州にある唯一の原産地呼称(D.O.)を持つ都市です。その中に、次の4つの地域(サブゾーン)があります。

アルガンダ(Arganda del Rey):マドリード南東部

マドリード最大の生産量を誇る地域。平地で空気が乾燥し、日照時間が長く、ブドウがよく熟します。そのため、果実味豊かな力強い味わいの白・赤ワインが造られています。

主な栽培品種:テンプラニーリョ(Tempranillo)、マルバル(Malvar)

ナバルカネル(Navalcarnero):マドリード南西部

伝統的なワイン文化が残る地域。温暖な丘陵地で、土壌は砂質が多く水はけが良いことから、凝縮感のあるフルーティなブドウが育ちます。軽やかで飲みやすい赤ワインとロゼが有名です。

主な栽培品種:ガルナチャ(Garnacha)、テンプラニーリョ(Tempranillo)

サン・マルティン(San Martín de Valdeiglesias):マドリード西部

標高が高く、昼夜の寒暖差が大きい地域。酸がしっかりした繊細なワインが造られています。ガルナチャの古木が多く栽培され、凝縮感のある赤ワインが人気です。

主な栽培品種:ガルナチャ(Garnacha)、アルビージョ・レアル(Albillo Real)

エル・モラール(El Molar):マドリード北部

石灰質・粘土質・砂利が混ざった多様な地質を持つ地域。2019年から正式にD.O.に加わり、個性的で質の高いワイン造りが進んでいます。冷涼な気候と石灰質土壌により、ミネラル感のある引き締まった味わいの製品が生まれています。

主な栽培品種:ガルナチャ(Garnacha)、マルバル(Malvar)

スペインのワイナリー体験で、特別なひとときを

マドリードを拠点にすると、アクセスが良いため1〜2日で効率良く観光とワイナリー巡りを楽しめます。

美味しいワインと地元のグルメと共に、自然、歴史、文化を感じられるエノツーリズム体験を堪能してください。

旅のプランニングについて悩んだら、現地のサポート会社「おまかせマドリード」にお気軽にご相談を。目的や好みにあった旅をご提案します。

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