シェンゲン協定(シェンゲン・ビザ)の存在や利用条件をご存知ですか?
ヨーロッパ旅行を計画しているなら、シェンゲン協定は知っておきたい重要なものです。
今回は、シェンゲンの仕組みと滞在条件について、詳しくご紹介します。
シェンゲン協定とは?

シェンゲン協定とは、ヨーロッパの26か国が加盟するシェンゲン圏内において出入国審査(国境検問)を免除し、自由に移動ができるという取り決めのことです。
原則としてパスポートや身分証明書を提示せずに国境の通過が可能。
協定を締結している主な国には、スペイン、フランス、ドイツ、イタリア、ギリシャ、ノルウェー、スイスなどが含まれています。
シェンゲン協定加盟国一覧
EU(欧州連合)22カ国
オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン
EFTA(欧州自由貿易連合)4カ国
アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン
シェンゲン圏内での滞在期間

シェンゲン圏内では、180日の期間内で最大90日以内の滞在が認められています。この期間内であれば特別なビザの申請は不要で、観光ビザのみで各国を自由に移動できます。
「180日以内で最大90日間」のカウント方法
「180日の期間内で最大90日以内」とはどういうことなのか、具体的に計算法を確認してみましょう。
シェンゲン圏内での滞在可能な日数は90日間です。
ただし、90日が連続していなくてもかまいません。180日の期間内で合計が90日を超えないようにする、というのが条件となります。
「180日間」の計算の仕組み
「180日間」というのは、「現在の日付から過去180日間」をもとに計算されます。そのため、入国や再入国のタイミングに応じて、新たに滞在可能日が生じる場合があります。
「90日以内」の計算例
例えば、1月1日からスペインに滞在しているとします。移動せずスペインにいれば3月31日には観光ビザの滞在許可日数の90日を迎えます。
しかし、1月30日に日本へ帰国、または他のシェンゲン圏外に出国すれば、3月31日を過ぎても再びヨーロッパへの旅行が可能となります。4月1日からフランスに入国→その後イタリア、ドイツ、スイスと移動を繰り返す、といった旅もでき、5月30日までの60日間滞在できます。
1月1日からの30日間+4月1日からの60日間で、合計90日。
ここで、シェンゲン圏内での滞在可能日数を使い切ることになります。
シェンゲン圏内での移動に必要なもの

シェンゲン圏内での90日以内の滞在には特別なビザは不要ですが、「観光ビザ内の規定を守ること」が必須です。また、場合によっては以下の書類が求められることもあります。
- 有効なパスポート(申請日から少なくとも6か月の有効期間があるもの)
- 往復航空券の予約確認書
- 滞在中の宿泊先の証明(ホテル予約、またはご友人の宿泊先など)
- 滞在中の十分な資金の証明(空港で尋問された場合長い期間ですと銀行残高など調べられます)
- 海外旅行保険(最低補償額30,000ユーロ)
シェンゲン圏内で滞在日数を延長するには?
観光ビザでの滞在延長は原則として認められていません。
ただし、緊急の理由(健康問題や予期しない状況など)によっては滞在が延長できることがあります。この場合、滞在している国の移民局または関連機関に問い合わせて、必要な手続きを行ってください。
シェンゲン協定内での規定を破ると……
観光ビザで認められている滞在日数を超えると、罰金や入国拒否、将来的なビザ取得の制限などのリスクがあります。旅行計画を立てる際には、滞在日数をしっかり計算して規定を遵守しましょう。
シェンゲン計算ツール
滞在日数の計算には、シェンゲン計算機を利用すると便利です。

滞在の延長やトラブルの相談は「おまかせマドリード」へ

スペインの滞在に関してわからないことがあれば、日本人向けのサポートを専門とする「おまかせマドリード」にご相談ください。
「90日を過ぎても問題ないと言われた」と、誤った情報を受けたというケースも実際にありました。法的には観光ビザ、シェンゲン・ビザで長期滞在はできません。
滞在やビザに関する不明点があれば、公的機関や専門家に必ず確認することをおすすめします。
「おまかせマドリード」では、スペインの弁護士への相談も日本語通訳を介してご利用いただけます。また、スペイン滞在中に発生したトラブルの対応についてもお問い合わせください。

シェンゲン協定を活用して、ヨーロッパを堪能しよう!
シェンゲン協定(シェンゲン・ビザ)によって、ヨーロッパ各国への充実した旅行が実現できます。
有効に活用して、良い旅を楽しんでください。