スペイン現地のリアルな食文化に触れ、旅の楽しみを広げるなら、市場体験は外せません。
日本では見かけない魚介や野菜、色鮮やかなフルーツなど、旬の食材が並び、見ているだけでもテンションを上げてくれる場所。スペインの市場は、ただ食材を買うのではなく、その場で食べて・飲んで・楽しむグルメスポットとして進化しています。
マドリードではどんな市場が人気? 観光客向けと地元客向けの違いは? オーダーの仕方は? など、市場の魅力をたっぷり味わえるように、わかりやすく解説していきます。
※市場の営業・内容は変更となる場合があります。最新情報は事前にご確認ください。
マドリードにある食の市場 5選

まずは、スペインならではのグルメが味わえる市場のうち、人気の高い5つをご紹介します。
観光ならまずここへ|サン・ミゲル市場(Mercado de San Miguel)
ガラス張りの開放的な空間に、タパスや生ハム、ワインのスタンドがずらり。ガリシア産のシーフード、バスク風のピンチョス、種類豊富なオリーブ、気軽に試せるパエリア、そしてスイーツやフルーツまで、スペインを代表するグルメが集まっています。
多くの人はここを「おしゃれなグルメスポット」として訪れます。でも、実はこの場所、ただの市場ではなく、100年以上の歴史を持つ“物語のある場所”なのです。
はじまりは、素朴な青空市場。火災を経て、美しい建築に
1800年代、ここはありふれた屋外市場でした。農家の人たちが野菜や肉を持ち寄り、人々が集い、会話し、日常を支える場所。今の洗練された雰囲気からは想像できないほど素朴で、生活に根ざした空間でした。
やがて、そんな市場に変化が訪れます。それが、このエリアで起きた火災でした。木造の市場は火に弱く、安全な市場を作る必要がありました。当時のヨーロッパではパリの市場などの影響で「鉄の建築」が流行していたため、1916年、スペインでは珍しい、鉄骨×ガラスのモダン建築が誕生したのです。
こうして生まれ変わったサン・ミゲル市場は、安全性と時代の最先端が融合した空間といえます。多くの市場が時代の流れと共に取り壊されてきた中で、建築としても文化的にも非常に希少な存在。この場所で過ごす時間は、単にグルメを楽しめるだけではなく、歴史を感じ、時を味わう体験になるはずです。
ちょっとした豆知識 – 市場にトイレはある?
市場内にはトイレがありますが、お店で購入した際のレシートを提示すると無料で利用できます。レシートがない場合は有料になるため、捨てずに最後まで持っておきましょう。
夜に賑わうフードホール|サン・イルデフォンソ市場(Mercado de San Ildefonso)
チュエカとマラサーニャの間にある、3フロア構成の縦型フードホール。通りに面した開放的な造りで、各階に多国籍料理の屋台やバーが並んでいます。
立ち飲み中心のカジュアルな雰囲気で、バルをはしごする感覚で気軽に楽しめるスポット。夜になると音楽と人でにぎわい、食事というより“飲みながらつまむ”使い方がしっくりくる、活気のある市場です。
おしゃれで洗練されたモダン市場|サン・アントン市場(Mercado de San Antón)
1階は生鮮市場、2階はフードスタンド、3階はレストランとテラスという構成で、用途に合わせて使い分けられます。
市場らしいローカル感と、座ってゆっくり食事ができる空間が共存しているのが特徴。屋上テラスで軽く一杯も楽しめ、にぎやかすぎない大人向けの市場です。
自由な空気気が魅力|バジェエルモソ市場(Mercado de Vallehermoso)
ラ・ラティーナ地区にある、昔ながらの市場に個性的な店が混在するユニークな空間。八百屋や精肉店の並びに、タパスバーや古本屋、クラフトショップなどがあり、雑多で自由な雰囲気が広がっています。
観光地化されすぎず、地元の人の日常に近い空気を感じられるのが魅力。価格も比較的手頃で、気取らずにリアルなマドリードの一面を楽しめる市場です。
リアルな地元感に触れられる|サン・フェルナンド市場(Mercado de San Fernando)
住宅街の中にあるローカル市場をベースに、近年は個性的な飲食店が加わった進化型市場。
精肉店や青果店が並ぶ日常的な空間の中に、クラフトビールや各国料理、こだわりの専門店が点在し、食べ歩きも楽しめます。派手さはないものの、地元の空気とグルメの両方を味わえる市場です。
市場内にある名物スペインバル・日本食バル
スペインの市場には、名物料理が味わえるバルや、気軽に立ち寄れる和食バルも併設されています。
ラ・パス市場(Mercado de la Paz)× カサ・ダニ(Casa Dani)
サラマンカ地区(セラーノ通り近く)にあるラ・パス市場で有名なのが、人気のバル「カサ・ダニ」です。ここはトルティージャ・デ・パタタス(スペイン風オムレツ)の名店として知られていて、ランチタイムには地元の人で行列ができることも珍しくありません。
バジェエルモソ市場(Mercado de Vallehermoso) × トリペア(Tripea)
バジェエルモソ市場には、ミシュラン系シェフの屋台があります。アジアと南米の要素を掛け合わせた独創的なメニューを提供する「トリペア」。カジュアルな雰囲気の中で本格的な料理を楽しめると、美食家たちに評判です。スパイスや酸味を効かせた逸品はお酒との相性も抜群。
アントン・マルティン市場(Mercado de Antón Martín) × ヨカロカ(Yokaloka)/ ハナブサ(Pastelería Hanabusa)
アントン・マルティン市場内にある「Yokaloka」は、日本人シェフによる和食を味わえる店。また、「Hanabusa」は、日本人パティシエによるスイーツ店です。ソフィア芸術センターの近くなので、アート鑑賞の前後に日本食が恋しくなったらここへ。
グスマン・エル・ブエノ市場(Mercado Guzmán el Bueno) × ウタタネ(Wagashi Utatane)
グスマン・エル・ブエノ市場にある「Utatane」は、地元のスペイン人たちが行列を作る和菓子専門店。日本人店主が手掛けるふっくら優しい甘さのどら焼きや大福のほか、素材にこだわった季節の和菓子が味わえる、マドリードでは希少な和カフェです。
マドリードの市場一覧
① 観光におすすめのグルメ市場

観光スポットに近い市場では、英語が通じる店舗も多く、旅行者が利用しやすい雰囲気があります。短時間でいろいろな味を試したい方や、市場デビューにぴったりです。
サン・ミゲル市場(Mercado de San Miguel)
スペインを代表する名店・食材・タパスが集結。必見の観光スポットであり、定番のグルメ市場。
WEB / 最寄駅:Sol(ソル), Opera(オペラ)
サン・アントン市場(Mercado de San Antón)
注目ショップが多いチュエカ地区にある市場。美食だけでなく、建築・装飾・屋上テラスも見どころ。
WEB / 最寄駅:Chueca(チュエカ)
サン・イルデフォンソ市場(Mercado de San Ildefonso)
スペインのストリートフードを試してみるならココ。バル感覚で楽しめるフードホール。
WEB / 最寄駅:Tribunal(トリブナル)
ラ・パス市場(Mercado de la Paz)
高級住宅街サラマンカ地区。品質重視の洗練された食材が揃う、ハイセンスの市場。
WEB / 最寄駅:Serrano(セラーノ)
② ほどよく日常的なローカル市場

続いては、観光客だけでなく地元客たちも多い市場です。仕事の休憩中に食事をしている人、ここで一杯飲んで帰る人など、スペイン人たちの日常風景が伺えます。
アントン・マルティン市場(Mercado de Antón Martín)
美術館通りから徒歩圏内。お出かけの合間に多国籍料理が楽しめる市場。
WEB / 最寄駅:Antón Martín(アントン・マルティン), Tirso de Molina(ティルソ・デ・モリナ)
バジェエルモソ市場(Mercado de Vallehermoso)
グルメ系屋台が充実。センスのいいバルやカフェが並び、「ちょっと一杯」に最適。
WEB / 最寄駅:Quevedo(ケベド)
バルセロ市場(Mercado de Barceló)
新世代カルチャーの発信地マラサーニャ地区。質の高い食材が揃い、見応えも十分。
WEB / 最寄駅:Alonso Martínez(アロンソ・マルティネス)/ Tribunal(トリブナル)
サン・フェルナンド市場(Mercado de San Fernando)
ジャンルの幅が広い個性派市場。「昔ながら」に出会える庶民の台所。
WEB / 最寄り駅:Lavapiés(ラバピエス)
ラ・セバダ市場(Mercado de la Cebada)
日曜の蚤の市ラストロが行われるエリア。老舗のバルが並ぶカバ・ハバ通りからすぐ。
WEB / 最寄駅:La Latina(ラ・ラティーナ)
ロス・モステンセス市場(Mercado de los Mostenses)
アジアの食材・調味料も有り。精肉店「saboli-tabori(サボリ・タボリ)」ではスペインでは珍しい薄切り肉のオーダーが可。
WEB / 最寄駅:Plaza de España(プラサ・デ・エスパーニャ), Santo Domingo(サント・ドミンゴ)
③ 地元密着の市場

最後にご紹介するのは、地元の人たちが日常的に利用している市場です。肉や魚、野菜などの食材が売られ、マドリードのリアルな生活を感じられます。市場そのものの雰囲気を楽しみたい方におすすめです。
マラビージャス市場(Mercado de Maravillas)
マドリード最大級の規模を誇る食材中心の市場
WEB / 最寄駅:Cuatro Caminos(クアトロ・カミーノス), Alvarado(アルバラド)
チャマルティン市場(Mercado de Chamartín)
品質の良い食材が充実。高級志向の人におすすめ
WEB / 最寄駅:Colombia(コロンビア)
プロスペリダ市場(Mercado de Prosperidad)
観光地の喧騒から離れた、住宅街の中の市場
WEB / 最寄駅:Prosperidad(プロスペリダッ)
グスマン・エル・ブエノ市場(Mercado de Guzmán el Bueno)
地元に愛されている小規模市場。和カフェも人気
WEB / 最寄駅:Guzmán el Bueno(グスマン・エル・ブエノ)
チャンベリ市場(Mercado de Chamberí)
老舗の活気とモダンな食が融合。サッカー観戦のパブリックビューも有。
WEB / 最寄駅:Iglesia(イグレシア)
週末に開催されるマーケット(クラフト市・蚤の市など)

こちらは常設の市場とは異なり、週末や特定日に開催されるマーケットです。アンティークや雑貨、古着などが並び、食よりも「街歩き」や「掘り出し物探し」を楽しむスタイル。観光の合間に立ち寄るだけでもマドリードらしい活気を感じられるので、時間が合えばぜひ訪れてみてください。
ラストロ市(El Rastro)
毎週日曜開催。掘り出し物が見つかるマドリード最大の蚤の市。
WEB / 最寄駅:La Latina(ラ・ラティーナ)
モトーレス市(Mercado de Motores)
毎月第2土・日曜に鉄道博物館で開催。古着やヴィンテージ、個性ある手作りの雑貨やフードが多数。
WEB / 最寄駅:Delicias(デリシアス)
ラス・ラナス市(Mercado de las Ranas)
若手クリエイターが集う、感度高めの青空マーケット。
WEB /最寄駅:Antón Martín(アントン・マルティン)
ラス・サレサスのストリートマーケット(The Festival Salesas)
毎月第1土曜に開催。地元デザイナーによるファッション、雑貨、アクセサリー、アートなど、感度の高い一点ものに出会えるストリートマーケット
Instagram / 最寄駅:Colón(コロン), Chueca(チュエカ)
コンデ・デ・バラハスのアート市(Mercado de Arte de la Plaza del Conde de Barajas)
毎週日曜に開催。40年以上続く歴史ある青空アート市で、画家本人と交流しながら作品を購入できます。
Instagram / 最寄駅:La Latina(ラ・ラティーナ)
その他のイベント/季節のマーケットなど
ノマド・マーケット(Nómada Market)
年4回(4月、6月、10月、12月)開催される、スペイン最大級のデザインマーケット。ハンドメイドの服、雑貨、アクセサリー、フードが並び、ワークショップやライブも行われます。
Instagram / 最寄駅:Chamartín(チャマルティン)※開催場所が変わることがあるので、事前に確認を。
ヴォーグのフラワー・マーケット(Mercado de las Flores de Vogue)
年2回(春&クリスマスシーズン)に開催。セラーノ周辺に花々やリースが並び、街を華やかに彩る人気のイベント。
WEB / 最寄駅:Serrano(セラーノ)
スペインの市場を楽しむコツ

市場での注文の仕方
初めてでも心配はいりません。スペインの市場は気負わずに誰でも楽しむことができます。
食材を買うにしてもタパスを選ぶにしても、その名前がわからなくても目で見て選べるのが市場の長所。気になるものがあったら、指をさして「これをください」と言うだけです。量り売りの場合はグラム数を伝えます。ちょっと味見したい程度なら「少しだけ」と伝えてもOKです。
市場での支払い方法
ほとんどの市場が現金またはクレジットカードのどちらも使えます。特に観光スポットに近い市場は少額でもカードの利用が可能です。
清算はそれぞれのスタンドごとに。市場内にイートスペースがある場合も、飲み物やフードの支払いは先に各販売店で済ませてからになります。

市場を満喫するために
1店舗で食べすぎないこと
市場では、1つのお店でしっかり食事をするというよりも、いくつかのスタンドを回りながら少しずつ食べるのが基本の楽しみ方です。最初から食べすぎずに、軽めに注文して“はしごする”のがおすすめです。
ピーク時間を避けるのが◎
スペインの食事時間は、13:30〜15:00頃がランチタイム、20:00〜22:00頃がディナータイムです。この時間帯は混雑するので、ゆっくり見て回りたい場合は、少し時間をずらして訪れると良いでしょう。
ワインやビールも一緒に楽しんで
スペインの市場ではタパスを立ち飲みしながら味わうのが一般的。ワインやビールを片手に、いくつかの料理をつまむのが現地らしい過ごし方です。
簡単!日本との時間の考え方
スペインの食事時間が分かりにくいときは、「日本の時間に+2時間」と考えてみてください。
・朝食は、日本では8時 → スペインでは10時頃
・昼食は、日本では12時 → スペインでは14時頃
・夕食は、日本では19時 → スペインでは21時頃
この感覚を知っておくだけで、スペインでの時間の使い方がイメージしやすくなります。。
簡単な会話でコミュニケーションをとって

スタンドで直接オーダーをする時には「こんにちは(Hola/オラ)」「ありがとう(gracias/ グラシアス)」と、ひとこと添えるだけで、グッとその場の雰囲気になじみやすくなります。スペインではフレンドリーな接客が多いので、気軽にコミュニケーションを楽しんでみてください。
市場で使うスペイン語
これをください = Esto, por favor(エスト ポル ファボール)
ビールを1杯ください = Una cerveza, por favor(ウナ セルベッサ ポル ファボール)
ここで食べます/飲みます = Para comer aquí / Para tomar aquí(パラ コメール アキ / パラ トマール アキ )
持ち帰りにしてください = Para llevar, por favor(パラ ジェバール ポル ファボール)

スペイン旅行のご相談は「おまかせマドリード」へ

スペインの市場は、美味しさを体験できるのはもちろん、色とりどりの食材やにぎやかな会話に触れられ、スペインの豊かさを実感できます。短時間でも楽しめる場所なので、ぜひ足を運んでみてください。
「食の視察に行きたい」「スペイン語ができないので不安」「土地感覚がないので、どう予定を立てたらいいのかわらからない」など、スペインの市場に関するご相談やスペイン旅行の際のお悩み事があれば、現地でのサポートを専門とする「おまかせマドリード」へお気軽にご連絡を。
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