みなさん、スペインでの住宅探しにお困りではありませんか?
「スペインの物件は日本と何が違うの?」「礼金は必要なの?」「光熱費は家賃に含まれるの?」など、さまざまな疑問があるかと思います。
今回は、スペインで住まいを探したい方に向けて、役立つ基本情報をお伝えします。
スペインで物件を探す方法は?

スペインでの物件探しは、日本と比べてやや複雑に感じるかもしれません。まずは、物件を選ぶ方法や注意したいポイントをご紹介します。
家主と直接連絡が取れる物件が安心
スペインでの物件は、大きく分けて以下の2種類の方法で入居者を募集しています。
- 大家さん(家主個人)が直接入居者を募集している物件
- 不動産会社が仲介して入居者を募集している物件
私(代表大畠)がおすすめするのは、「大家さんと直接連絡が取れる物件」を選ぶことです。
というのも、スペインでは不動産会社が物件の管理にあまり関与しない場合が多く、トラブルが発生しても対応してもらえないケースが少なくありません。実際に、何か問題が起こった際に連絡がつかず、対応に困るという声もよく耳にします。
そのため、契約前に「大家さんと直接連絡が取れるかどうか」を必ず確認することを強くおすすめします。
スペインのサービスアパートメントは便利?

物件の中には、あらかじめ家具や家電が備え付けられている「サービスアパートメント」もあります。
しかし、スペインにおけるサービスアパートメントについては、弊社としては基本的におすすめしておりません。その理由は、見た目や設備が整っていて一見きれいな物件であっても、実際には「サービス」という名目に反して、入居者への対応が不十分なケースが多いためです。
たとえば、エアコンやオーブンなどの家電が故障しても、退去日まで一切修理対応が行われなかったという事例もあります。このようなことから、スペインのサービスアパートメントは、一部において居住者にとってリスクとなる可能性があると考えております。
理想的すぎる宣伝に要注意!客引き用アパートメントについて
最近、「光熱費込み」「すべてが完備された理想的な物件」とうたわれるアパートメントに関する詐欺や契約トラブルが多数報告されています。
一見条件が非常に良い物件であっても、実際には法的な不備がある契約や、後から高額な追加費用を請求されるケースも少なくありません。
スペインの物件をお探しの方の中には、現地の賃貸事情や悪質な仲介手法の存在をご存じでない方も多いようにお見受けします。そのため、契約前には必ず信頼できる専門家や弁護士による確認を行うことを強くおすすめいたします。
弊社では、お客様のご希望条件とご予算に合った物件を探すだけでなく、信頼できる大家さんと直接連絡が取れる物件を優先してご紹介しております。
これは、万が一トラブルが発生した場合でも、迅速かつ確実に対応できる体制を整えるためです。
単に条件が良い物件を契約するのではなく、中長期的な安心と信頼性を重視した物件選びが極めて重要です。
スペインの不動産会社には礼金が必要?

スペインの法律では、不動産会社に礼金(手数料)を支払うことは義務ではありません。この点は、日本と大きく異なる部分です。
通常は、大家さんと不動産会社との契約内容により、
- 大家さんが不動産会社に手数料を支払う場合
- 入居者がその費用を負担する場合
のいずれかになります。
たとえば、マドリード州では、不動産会社への礼金を入居者が必ず支払わなければならないという法律上の義務はありません。
ただし、スペインは州ごとに法律や慣習が異なるため、物件を探す地域・州の法律や契約条件を必ず事前に確認することが大切です。
スペインでの敷金とデポジットの違いは?

スペインで物件を借りる際、保証金が求められます。これには、法的に義務付けられている「Fianza(フィアンサ)」と、任意で求められる「Depósito(デボジット)」の2つのタイプがあります。
Fianza(フィアンサ、法定保証金)
賃貸契約時に法律で義務付けられている保証金です(住宅の場合、家賃1か月分または2か月分が一般的)。契約終了時に未払い賃料や損傷がなければ返金されます。この金額は自治体の公的機関に預け入れられます。
Depósito(デポジット、追加保証金)
貸主が任意で求める追加保証金で、法的義務はありません。金額や条件は貸主·借主間で自由に決められ、原則1~2か月分までが一般的です。デポジットは貸主が保管し、未払い家賃や損傷の補填に用いられます。
デポジットは法的な義務ではありませんが、スペインでは一般的に設定されている慣習です。交渉によっては、デポジットなしで契約を結んでくださる大家さんもいらっしゃいますが、基本的にはデポジットの免除を求める交渉は控えることをおすすめいたします。というのも、金銭的な余裕がないと受け取られ、物件を借りにくくなる可能性があるためです。
デポジットの有無や金額は契約書に明記され、退去時に物件に損傷や未払いがなければ、全額返金されるのが一般的です。そのため、支払いが可能であれば、デポジットの要求には応じたほうが良いでしょう。
スペインの物件には光熱費は含まれている?

スペインにおける賃貸物件の光熱費(電気·ガス·水道·インターネットなど)の取り扱いは、物件や大家さんによって異なります。たとえば、
- 家賃にすべての光熱費やインターネット代が含まれている物件
- 家賃とは別に、大家さんを通じて請求される光熱費を支払う物件
- 完全に入居者が個別で契約し、直接支払う必要がある物件
など、さまざまなケースが存在します。
多くの場合、交渉によって条件の調整が可能です。特に短期滞在される方にとっては、家賃に光熱費やインターネット代がすべて含まれている「オールインクルーシブ型の物件」が人気です。
いずれにせよ、契約前に「何が含まれているか」を必ず確認し、明確にしておくことが重要です。これは、後々のトラブルを防ぐためにも非常に大切なポイントです。
スペインでの賃貸契約書における注意点

「一見良さそうな物件に個人で契約してしまい、後にトラブルが発生した」というご相談が、これまで弊社に多数寄せられています。
特に、契約前に弁護士が契約書を確認していない場合、トラブル発生後の対応が非常に難しくなるのが現状です。
一度署名をしてしまった契約書は、たとえ不利な内容であっても法的拘束力が生じるため、後戻りができません。契約書は言わば「命」とも言える重要な書類です。そのため、契約内容をきちんと理解し、必要な説明を受けたうえで進めることが重要です。
また、日本とスペインでは文化や契約に関する考え方、申し込みの流れも大きく異なります。文化的背景を理解することも、トラブルを防ぐうえで重要な一歩です。
契約書は入念に確認、必要に応じて修正を
スペインでは、多くの不動産会社が作成する賃貸契約書において、内容の不備や記載漏れ、法的に不十分な条項が見られることがあります。そのため、契約書の内容をしっかりと確認し、必要に応じて修正を行うことが非常に重要です。
契約書は、今後の居住生活を守る重要な法的文書です。内容の確認や条項の記載については、慎重に対応することを強くおすすめいたします。
弊社では、お客様が物件を契約される際、必ずスペインの不動産専門の弁護士が契約書を確認しております。後々トラブルが発生しないよう、細部まで丁寧にチェックし、必要な修正を加えたうえで、お客様に内容をご説明し、ご納得いただいてから署名していただいております。
また、代表である私自身がこれまでに経験してきた実例をもとに、実体験に基づいたリアルなアドバイスを初めから終わりまで丁寧にお伝えすることを信条としております。単なる情報提供ではなく、「経験に基づいた実践的なサポート」を通じて、お客様に安心してスペインでの生活をスタートしていただけるよう努めております。
物件の契約書で確認したい重要なポイント

賃貸価格の上昇に関する記載の確認
スペインでは、法律のもとで毎年家賃を上げることが許されています。しかし、契約書に「家賃の年次引き上げ」に関する記載がある場合でも、大家さんの同意があれば、「家賃を引き上げない」旨を明記する形で契約内容を修正することも可能です。仮に賃料が上がる場合でも、法令で定められた上限(例:消費者物価指数=IPC)以上の引き上げはできません。よって、値上げを提示された際は、そのまま同意せず、必ず内容を確認した上でご判断ください。
※例として、マドリード州では2025年に2,2%の値上げが認められました。
住民登録(Empadronamiento)が可能な物件であるかの確認
契約書があっても、大家さんによってはその物件での住民登録を認めないケースがあります。住民登録ができないと、役所手続き・保険・銀行口座などに支障が出ることもありますので、契約前に「住民登録が可能」を必ずご確認ください。記載がすべてですので、口頭で言われても必ず契約書に記載をしてもらってください。
ライフライン(ガス・水道・電気・インターネット)契約形態について
スペインの賃貸物件においては、ライフラインの契約形態が物件ごとに異なるため、事前の確認が非常に重要です。
多くの物件では、水道代はビル全体で一括管理されており、入居者が個別に契約する必要はありません。その場合、水道料金は家賃に含まれているか、あるいは大家さんを通じて支払う形式となるのが一般的です。
一方で、電気・ガス・インターネットに関しては、入居者が個別に契約を行う必要がある場合が多く、契約者の名義変更や開通手続きが発生します。
そのため、以下の点を契約前に必ず確認することをおすすめします。
- 各ライフライン(電気・ガス・水道・インターネット)が家賃に含まれているか
- 別途支払いが必要な場合、その支払い方法(大家さん経由か自己契約か)
- 契約名義の変更が必要かどうか
入居後のトラブルを防ぐためにも、ライフラインの取り扱いについては契約書に明記してもらうことを推奨いたします。
おまかせマドリードと一般的な不動産会社との違い

上記でご紹介したように、スペインで物件を探す際には、文化や契約書に関する注意点、法的な違い、ライフラインの取り扱いなど、事前に理解しておくべき重要事項が数多くあります。
おまかせマドリードでは、こうしたスペイン特有の事情を含めて、物件契約に関わるあらゆる情報を、お客様に丁寧かつわかりやすくご説明することを徹底しております。
これこそが、私たちと一般的な不動産会社との大きな違いです。
社内には、不動産に精通した専門家や法務の知識を持つ弁護士が常駐しており、これまで実際に多くのトラブル事例に対応してきた経験をもとに、実務的で的確なサポートを提供しています。
また、不動産会社との提携物件だけでなく、長年の信頼関係を築いてきた大家さんの物件もご紹介可能です。
さらに、日本からでも安心して物件を選んでいただけるよう、弊社ではスタッフが必ず現地に足を運び、内見を行い、物件の状況を詳細に確認しております。その際には、
- 室内や設備の様子
- 物件から最寄り駅までの道のり
- 周辺エリアの環境や雰囲気
などを動画で撮影し、お客様に実際の映像をもとにご案内いたします。これにより、マップや写真だけでは分からない「リアルな情報」を得たうえで、安心して物件を選ぶことができます。
もちろん、物件選びにおいて他にも多くの注意点やアドバイスがありますが、まずは今回ご紹介した基本事項を把握していただくことが、失敗しない住まい選びの第一歩となります。
皆さまがスペインで快適な生活を送れるよう、少しでも参考にしていただければ幸いです。
▼おまかせマドリードのサービス内容と料金については、以下の一覧表からご確認いただけます。
